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Columun SBL/Documentary

九州電力アーティサンズを下支え  飛躍の鍵は司令塔・久原大弥

2025-26シーズンのSBL-男子SB1リーグを6位(5勝9敗)で終えた九州電力アーティサンズが快進撃を見せている。前半戦を終え、JR東日本秋田PECKERSと並ぶ7勝1敗で首位タイにつけた。「連盟の方たちも驚いていると思いますよ」と、現場で指揮を執る松元 一総アシスタントコーチ(AC)は笑う。その松元ACが「今年の飛躍の鍵」に挙げたのが、背番号2の久原大弥選手だ。

昨季は「土台づくりの年」
平均得失点とメンタルを改善

SBL-男子SB1リーグには8チームが参加し、ポストシーズンでは各チームと2回ずつ対戦する。今季の九州電力は、その舞台で攻守ともに昨季から大きく数字を伸ばしている。1試合の平均得点は66.0点(リーグ7位)から74.1点(同3位)に増え、平均失点は73.9点(同5位)から65.6点(同2位)に減少した。

飛躍を後押ししているのが、新たに加わった選手たちだ。203センチのセンター、キエキエトピー・アリ選手(#33)は、8試合で平均17.1得点、12.5リバウンドと、攻守両面でゴール下を支えている。ポイントガードでルーキーの今泉太陽選手(#9)も、横河電機WILDBLUE戦で3ポイントシュート5本を含む28得点を挙げた。

入社4年目の久原大弥選手は、今季のチームについてこう話す。「昨年と比べたら新しいメンバーで、留学生も加わった。一人一人が自分の役割を果たして、全員でっていうところが強みかなと思います」

ただ、チームの土台は昨季から作られてきた。コーチ陣は、昨季をチームのベースを作る年と位置付けていたという。久原は「他のチームに比べたら小さいので、足を使ってディフェンスする。そこを昨年から意識してきた」と明かす。

他にも昨季は、試合の流れが悪くなったときに立て直せないことが課題だった。今季はコーチ陣の指摘を受けて、キャプテンを中心にそこを変えようと取り組んできた。

2026年9月12日と13日の両日、エフピコアリーナで行われた広島ラウンドでは、1日目にホームチームのびんご福山デニックスと対戦した。会場はデニックスのファンで埋まったが、九州電力の選手たちは物怖じせずに集中力を高めていた。「アウェイだからこそ、『やってやろう』という気持ちになりました」と久原。

試合自体も終盤まで競る展開となったが、アウェイの圧力を跳ね返して逆転勝利を収めた。

攻めるか、生かすかの判断
久原が「鍵」となる所以

得点やリバウンドの数字で目立つのは、ビッグマンのアリだが、コーチ陣がキープレイヤーに挙げたのは、試合を動かすポイントガードの久原だった。その理由は、今季のチームの形にある。

今季の九州電力の特徴は、得点源が1人に偏らないことだ。8試合を終えて、アリ選手(17.1得点)、古家凜選手(11.1得点)、今泉選手(10.4得点)、田邉太一選手(8.4得点)、久原選手(8.0得点)の5人が、平均8得点以上を記録している。

点を取れる選手がそろう中で、久原選手は試合を組み立てる役割を担う。「うちのチームはどこからでも点が取れるので、いかにシュートを打ちやすいパスを作るか。自分で攻めないといけないときには攻める。そこは意識しながら試合に取り組んでいます」

その言葉どおり、久原選手のアシストは8試合で22本と、チーム最多だ。チーム全体のアシストの4分の1を占めている。出場時間は1試合平均約26分で、アリ選手に次いでチームで2番目に長い。ファウルは1試合平均1.1個と少なく、試合終盤でも安定してコートに立ち続けている。

もちろん、自ら攻める力もある。山形クベーラ戦では、放ったシュート8本をすべて決めて18得点を挙げた。ONELYS wakayama戦でも16得点を記録し、チームは2試合とも快勝している。パスで味方を生かすか、自分で攻めるか。その場面ごとに正しい判断を下し、実際に数字として結果を残せることが、飛躍の「鍵」と期待される所以だろう。

JR東日本秋田に雪辱を
ホーム開催で「次は勝ちたい」

大分県出身の久原選手は、専修大を経て九州電力に入社した。「プロにならないのなら、九州でバスケがしたかった」大学卒業時にはプロに進む選択肢もあったが、実業団でプレーする道を選んだ。

入社1年目は、まだ社会人リーグも再編される前るで、トップレベルのチームと日頃から試合ができる環境ではなかった。「最初の頃は、『プロに行けばよかったな』みたいなことは考えました」と率直に明かす。それでも今は、SB1について「プロに負けないぐらい、どこのチームもレベルが高い」と言い切る。目指す場所ははっきりしている。社会人のチャンピオンシップでの優勝だ。

まずは後半戦が待っている。唯一の黒星を喫したJR東日本秋田PECKERSとは、12月20日にホームとなる福岡市民体育館で再び対戦する。昨季は2試合とも20点差以上で敗れた相手に、今季は12点差まで迫った。「自分たちがやるべきことをやって負けたので、12月までに修正して、次は勝ちたい」と雪辱を誓う。

昨季6位から、首位争いへ食い込む九州電力。新戦力による補強だけでなく、司令塔としてチームを下支えする久原の活躍が後半戦の結果を左右するだろう。